数の子がお正月に食べられるわけ
お正月に欠かせない食材のひとつ、数の子。
なぜ、日本ではお正月に数の子を食べるのでしょうか。
その理由は、数の子が「子孫繁栄」の象徴とされてきたからです。
数の子は、ニシンの卵。無数の小さな卵が連なっている姿は、「子宝」や「家系が栄える」ことの象徴とされ、江戸時代頃からおせち料理の定番になりました。
年の始まりに、家族の健康と繁栄を願っていただく数の子。
それは単なる縁起物ではなく、いのちをいただくことへの感謝と祈りのかたちでもあるのだと思います。
原卵数の子と漂白数の子の違い
市場に流通している数の子には、大きく分けて二つのタイプがあります。
・原卵数の子
・漂白数の子
原卵数の子
漂白や着色をせず、自然の色と状態を保った数の子。ほんのり黄色みがあり、多少の色ムラもあります。
その代わりに、卵本来の張りと歯応えが際立ちます。噛むと、パリッ。音がするほどの食感は、原卵ならではです。
漂白数の子
見た目を整えるために、漂白処理を施した数の子。
「漂白」と聞くと、なんとなく体に悪そう、というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。でも、数の子に使われるのは、食品添加物として認められている“食べ物専用”の処理剤。料理に使える素材として決められたもので、使ったあともきれいに洗い流され、食卓に届く頃には残っていません。
現在日本で流通している漂白数の子は、食品衛生法に基づいた安全基準を満たす方法で行われていますから、安心して召し上がっていただけます。
漂白数の子は澄んだ美しい色合いが特徴です。このため、おせち料理として並べた時の美しさ、扱いやすさに優れています。
数の子の調理法
ご家庭で作れる
「だし薫る味付け数の子」レシピ
〈用意するもの(2〜3人分)〉
数の子
- 数の子 5〜6本
だし
- 水 500ml
- 天然昆布 10cm角 1枚
- かつお節(削り節) ひとつかみ(約10g)
調味料
- 薄口醤油 大さじ1
- 酒 大さじ1と1/2
- みりん 小さじ2
- 水1リットルに塩小さじ1を溶かす
- 数の子を6時間〜一晩浸す(冷蔵庫可)
- 味見をしながら、水を替えて調整
- ほどよい塩気になったらOK
- 表面の薄皮を、キッチンペーパーで優しく取る。
- ※ 塩が残りすぎていると、だしの香りが立ちません。
- ※ 抜きすぎると味がぼやけます。うっすら塩味が残るくらいがちょうど良いです。
- 鍋に水と昆布を入れ、30分浸す
- 弱めの中火にかける
- フツフツと小さな泡が出始めたら昆布を取り出す
- 沸騰させず、火を止めてかつお節を入れる
- 2分おいて、静かに濾す
※ グラグラ沸かさないことが「香りの命綱」です。
濾しただし400mlに対して、
- 薄口醤油 大さじ1
- 酒 大さじ1と1/2
- みりん 小さじ2
を加え、軽く一煮立ちさせます。
- 数の子を保存容器に並べる
- 冷ましただしをひたひたに注ぐ
- 冷蔵庫で半日〜一晩なじませる
美味しく仕上げるコツ
✔ 塩気より「香り」を優先
✔ 数の子を揉まない
✔ 常に“やさしく扱う”
それだけで、パリッとした歯ごたえとだしの余韻がきれいに仕上がります。
数の子の栄養
数の子は、栄養面でもとても優秀な食材です。
含まれる主な栄養素は――
・DHA、EPA(血流を良くする)
・ビタミンE(抗酸化作用・若々しさのサポート)
・良質なたんぱく質
・レシチン(記憶力や集中力のサポート)
・亜鉛(免疫力・味覚の維持)
とくに、記憶力・判断力・血流改善に関わる栄養素が多く含まれます。
〈七寶特選〉原卵数の子について
当店で扱う原卵数の子は、漂白をせず、自然な状態のまま仕入れたもの。
・色は自然な卵色
・歯応え重視
・粒の張りを厳選
「見た目より、味と食感を大切にしたい」
そんな方にこそ、選んでいただきたい数の子です。

〈素味絶佳〉だし薫る味付け数の子
下処理は不要。
解凍して器に盛るだけで、すぐに楽しめる数の子です。
ベースにしているのは、昆布と鰹節のやさしいだし。
だしの香りを主役に仕立てました。
手間なく、でもきちんと美味しい。
そんな数の子です。


さいごに
縁起物の数の子。
今年のお正月は上質なものを揃えて味わってみてはいかがでしょうか。
パリパリと響くその音に、輝かしい一年の始まりを予感させてくれますよ。





